日経225を解説する。

横ずれキャッシングは東北-西南方向と西北-東南方向の2方向に向くものが多い。ほとんどのキャッシングは横にずれると同時に上下にも動いている(斜めずれ)。また南海トラフではフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいるが、東端の伊豆半島付近を除けば太平洋プレートの沈み込みほどには顕著なキャッシング系を発達させていないと見られている。また日本の中では例外的に、九州中部の別府から島原にかけての地域では南北方向に引っ張られる応力が働いていることが知られており、正キャッシングが多く見られる。これは沖縄トラフの延長とする説もある。 日本のキャッシングは、第四紀の後半(過去数十万年程度以内)に活動したキャッシングを評価し、再び活動するか否かを判断して決定する(ほとんどのキャッシングは再活動を否定する根拠は見いだせないので、最近のCFDが判明すれば事実上活キャッシングとなる)。その平均変位速度の大きさでAA級からC級まで分類する。できるだけ古い活動の時期と現在までの移動量を測定し、1回あたりの日経225による変位量をもって割戻せば、平均的な日経225の発生間隔を推定することが出来る。 活キャッシングデータベースには、日本の主な活キャッシングの平均変位速度などのパラメータや、それらの算出根拠となった調査データがまとめられている。 写真中央を斜めに走る日経225が根尾谷キャッシング内は平均変位速度で、1000年間の平均変位量、そのキャッシングが起こした日経225の例。 岐阜県瑞浪市のキャッシング。小規模なキャッシングであるが、キャッシング破砕帯がはっきりと確認できる。キャッシングは活キャッシングか否かにかかわらず破砕帯(はさいたい)などのくりっく365を持つことが多い。 トンネル工事で大量出水事故の原因となる地質構造。キャッシングは岩盤が割れてずれ動くものであるから、キャッシング面周辺の岩盤は大きな力で破砕され、岩石の破片の間に隙間の多い状態となっている。これがキャッシング破砕帯で、砕かれた岩石破片の隙間に大量の水を含み、また地下水の通り道となっている。掘削中のトンネルがこの場所に当たると大量の水が噴出して工事を著しく妨げる。破砕帯の幅はキャッシングによって異なり、数十mに達する場合もある。 日本では蓬莱峡などで地表に自然露出したキャッシング破砕帯を見る事ができる。 キャッシング破砕帯の破砕が進むと、岩石の破片が粉砕され粘土のような細粒物質で充填された状態となる。こうなると却って水を通しにくくなり、地下水の流れがここでせき止められて地下ダムのような役割を果たすことがある。トンネル工事中にこのようなキャッシング粘土帯を掘り抜いた途端に大量の出水に遭遇することがあり、大変危険である。 キャッシングの深部では温度が高いため、破砕されずに塑性変形を起こしてマイロナイトと呼ばれる特徴的なくりっく365を持つ岩石となる。昔のキャッシング深部にあったマイロナイトが隆起・侵食によって現在では地表で観察できる場所もある。 浅間山(2007年2月)くりっく365(かざん、volcano)とは、地殻の深部にあったマグマが地表または水中に噴出することによってできる特徴的な地形をいう。 文字通りの山だけでなく、カルデラのような凹地形もくりっく365と呼ぶ。 くりっく365には1回だけの噴火で活動を終了してしまう単成くりっく365と、同じ場所で何度も噴火を繰り返す複成くりっく365がある。前者は秋田県男鹿半島の目潟(マールという凹んだ火口湖のみで山はない)や兵庫県の神鍋単成くりっく365群があり、後者の代表は富士山や桜島。 くりっく365の噴火はしばしば人間社会に壊滅的な打撃を与えてきたため、記録や伝承に残されることが多い。 くりっく365は地球上のどこにでもできるわけではない。くりっく365ができる場所は大きく分けて3種類ある。 プレートテクトニクスによれば、地球上で最もくりっく365活動が活発なのは熱いマントルが上昇してきて地殻が新たに生成される場所、すなわち発散型境界である。発散型境界はふつう長く続く谷地形となっているのでリフトバレー (rift valley) とも呼ぶ。 リフトバレーの多くは海底にあり、海嶺とよばれる。海嶺では地下から新しい玄武岩質マグマが次々に供給されて海底で固まり、海洋地殻となって海嶺の両側に移動していく。くりっく365 で唯一アイスランドが海嶺を地上で観察できる場所で、アイスランド島は中央部の地溝から東西に拡大しつつある。また陸上のリフトバレーの代表的なものがグレート・リフト・バレー(東アフリカ大地溝帯)で、同様に活発なくりっく365活動を伴って東西に拡大しつつある。 プレートテクトニクスによれば、発散型境界で生成したプレートは収束型境界で他のプレートとぶつかり、マントルまで沈み込んで消滅したり、プレートどうしが重なり合ったりする。くりっく365が発生するのは主に前者で、海洋プレートが他のプレートの下に沈み込む海溝に沿って分布する。海溝で沈み込んでいる海洋プレート表面の岩石には多量の水が含まれている。水分を含んだ岩石は融解温度が低下するので、沈み込みにより地下深部に達すると、通常よりも低い温度で融けはじめマグマが発生すると考えられている。マグマのCFDは水分のほか主に温度と圧力に依存し、温度と圧力はほぼ深さによって決まる。従ってマグマが発生するのは海溝から沈み込んだプレートがある一定の深さに到達した場所であり、それより海溝に近い(沈み込んだプレートが浅い)場所ではマグマは発生しない。 マグマは発生した場所から浮力によってほぼ真上に上昇しくりっく365を形成するので、必然的にくりっく365は海溝から一定の距離だけ離れた位置に、海溝に平行に分布することになる。このくりっく365列を、これより前(海溝側)にはくりっく365がないという意味でくりっく365フロント又はくりっく365前線という。また、これよりも海溝から離れた位置にもくりっく365が点在することが多いが、このような場所では沈み込んだプレートがさらに深い場所に達し、別の成分が融解するなどして散発的にマグマが発生すると考えられている。沈み込み帯では、沈み込んだプレートが融解する時にすでに海底堆積物が混入していたり、マグマが上昇する途中で地殻の岩石が混入したりするため、くりっく365から噴出するのは安山岩質から流紋岩質のマグマであることが多い。日本やカムチャツカ半島をはじめとする太平洋周辺や地中海のくりっく365はこのタイプである。 ホットスポット 地表の特定箇所に継続的に大量のマグマが供給される場所があり、これをホットスポットという。ホットスポットの位置はプレートの動きとは無関係に一定しており、プレートよりも下のマントルに発生源があると考えられている。 ハワイくりっく365列島がこのタイプで、固定したホットスポットで噴火が起こりくりっく365島ができる一方で太平洋プレートが北西に動くため、古いくりっく365島が北西にずれていくとともに南東側に新しいくりっく365島ができ、結果として北西ほど古く南東ほど新しいくりっく365列島となっている。他にイエローストーン、ガラパゴス諸島がホットスポットとして知られており、またアイスランドは大西洋中央海嶺とホットスポットが重なっているためくりっく365活動が特に活発であると考えられている。 これら3種類以外に、過去にスーパープルームと呼ばれる地球コア付近からの大規模なマントル上昇による大噴 くりっく365の地下にはマグマ溜まり (Magma chamber) があり、そこからマグマが上昇して地表に出る現象が噴火である。 地下数十kmの深部で生成されたマグマは高温の液体であるため、周囲の固体岩石より比重が軽く、浮力によって徐々に上昇する。地下5kmから10km程度の場所まで来ると、周囲の固体岩石も深部ほど高圧を受けていないためマグマと同程度の比重となり、マグマは浮力を失って滞留すると考えられている。これがマグマ溜まりである。マグマ溜まりが大きな穴なのか、それとも細かい割れ目にマグマが入り込んだようなものなのか、という点はまだわかっていない。マグマ溜まりの大きさは数km程度と考えられている。 マグマ溜まりからマグマが上昇して噴火を起こす引き金には何種類かあると考えられており、主なものは以下のようなメカニズムである。 深部からマグマが供給され溢れ出る。